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「と、いう訳だ。こういったものに詳しくないゆえお前が帰ってくるのを待っていた。おかげで良く考えることができたがな・・・どうやら俺はああいうのが好みのようだ・・・クククッ」
「はぁ、なるほど」
真顔で語りながらなんとも怪しげに笑う駿に、千速は辛うじて笑顔を保持。
「・・・あの、駿兄ぃ。アタシがこんなこというの妙なのはわかってんですが・・・てごめとかやめてくだせぇよ」
「誰がするか」
「それならいいんでサァ。女泣かすようなことしたら駿兄ぃでも赦せしやせんぜ」
扇子を駿に向けていつもと変わらぬ口調の千速の目は決して笑っては居なかった。
駿は視線を外し、ニヤリと口元を歪める。
「お前の情はそこにばかり向いているのだな。誰がそんな風に育てたのだか」
「駿兄ぃのお陰様で・・・アタシは色んな女に育てられやしたから、天秤かけたら恩あるほうに傾くは道理でサァ」
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