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千速と別れ松原駿はひとりで教えられた場所まで辿り着いた。
「ここか」
看板の字さえ難読になるような、くたびれた道場。
ガラの良くない浪人がひとり門の前で威嚇している。
門のすぐ奥にもふたり・・・。
「・・・邪魔だな」
言い捨て、中から流れてくるなんとも言えない厭な空気に眉間に皺を寄せながら足を速めた。
威嚇している表のひとりを無言のうちに落とし、門をくぐる。
「おい、キサ・・・」
駿に気がつき声を反応しかけた浪人達もドサドサっと気絶させて進む。
そして入った道場で目にした光景に眉間の皺が深くなった。
「父上ぇっ!私に触るなっ!離せっ!!」
父上と思わしき人物は道場の隅に血を流して横たわっていた。
その周りには木刀が散乱している。
そして、どこかで見覚えのあるような侍二人が稽古着姿の女を襲っていた。
「大人しくしろっ!吉原では年季開けの大年増といえど女は女」
「先日の礼をたっぷりしてやろうではないか」
羽交い絞めに腕を押さえ、足を押さえ、撲りつけながら無理やりに胴着の開き白い肌に・・・。
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