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「俺の女に何してる」
冬将軍も凍りつくような声音。
暖かいばかりの陽気が続く今日なのに、身体が一気に冷えていく。
視線が一斉に集まるなか、松原駿は腕を組み滑るように足を進める。
「何者だ!」
「そっくり返す。殺す気は無い・・・生き地獄に連れてってやる」
殺ル気満々で駿は組んでいた両手を脇に下ろしながら前進。
武器を手にしているようには見えない。
「何を言って・・・・」
ゴッ!
頭の骨が割れるような音とともに、覆いかぶさっていた男が真横に倒れた。
駿の袖が揺れ、ぶぉんと重音を響かせながら鎖が空を斬り駿の手元に納まる。
問答無用。
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