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さぁて、どう始末つけてやろう・・・。
と、その意識を現実に引き戻したのは甲高い悲鳴のような声だった。
「父上っ!父上っ!」
負傷し倒れているものを揺すっている。
「動かすなっ!」
声を張ると女はビクッと身をすくめた。
チッと舌を打つと声を普通に戻す。
「千速出てこい」
「あーぁ、バレてましたか」
ひょこ。
駿が入ってきた入り口ではなく、奥から千速登場。
心配でこっそりついてきていて騒ぎを覗き見ていたのだ。
駿の手当ての助手をするのだろうとタカを括っていた千速であったが、怪我の程度はパッと見それほど酷くは無いように見える。
「ここは頼む」
「・・・うわー、そうきましたか」
千速は駿が何をしようとしているのか察しがついてしまった。
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