花 嵐

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「ちょっと待って、待ってって!待てー!!」 「診察をさせろといっているだけだろう」 部屋に着くなり部屋を閉め切り、胴着を脱がそうとする駿は、ただひたすら待てと止められた 「必要ありません!そもそも何者です!?」 ぴたり。 駿は言われた言葉に目を見開いて引いた。 「俺は松原駿。お前は?」 「み、宮本千里(ミヤモトチサト)」 「千里、と言うのか」 甘く名を呼ばれ、現状に途惑う千里の女心に響く。 「何者かわかったならもういいか?」 駿は行動を再開した。 「そういう問題じゃぁないッ」 「医者に患部を診せるだけでそんなに・・・」 「あなたの目がそんな感じに見えませんっ!」 耳の先まで紅潮し千里はキっと駿を見据えて強く言った。 真面目に迫っていた駿の表情が、僅かに面白そうに揺らぐ。 「ふーん・・・わかった。ならば期待に応えてやろう」
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