第零話

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何枚壊す気だよ。 もう数え切れない程のドアを壊しては直したりしていると言うのに。 琢磨は窓を開け、窓の外に飛び出した。 二階の部屋から飛び降りているから幾分か危険だが。 僕は運動神経は悪くない。 だからたやすく地面に着地する事ができた。 『坊ちゃん。 やっと部屋から出て来ましたね』 蓮は僕の前に立っていた。 『なんで? さっきドアの前から声が聞こえたのに』 『単純です。 貴方が逃げる事を最初から予想し、部屋の前にカセットをセットして置きました』 蓮の手には木刀が二本持たれていた。
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