第二話

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そして巧の持つ手を力強く叩き、飛ばす。 刀は壁にサクッと刺さる。 『巧の負けだ』 琢磨は刀を巧の心臓下に突き付ける。 『ああ。 刀がないから防ぐ術はない。 負けだ』 巧は手をあげた。 『琢磨に負けるとは知らぬ間に強くなったな。 その負けた奴の事が相当気になるんだな』 琢磨は刀を鞘に納めた。 『そんな事はない。 ただ、女に年下に負けたままってのが許せないだけだ』 『そうか。ほら』 巧は鞘を琢磨に渡す。 『巧の刀を直すのには時間がかかるから僕の部屋で何か話すか?』 琢磨は刀が刺さった壁に向かって歩く。
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