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『坊ちゃんがひびをいれてしまったからな。
当たり前の事をしたまでだ』
『そうですか。
またな琢磨』
巧は走り出して玄関を出た。
『がんばりましたね。
高嶺に勝ったのですからね。
高嶺は弱い訳ではありません。
前の坊ちゃんなら負けていました』
蓮はウンウンと頷いていた。
『そうなのか?
やはり実感がない』
『まあ坊ちゃんはそれでいいんです。
坊ちゃんはそれでいいです。
自分が強いと過信するよりましですよ』
『僕は親父や蓮を越えてからじゃないと強いとは感じないよ。
それに越えても自分を強いと思わないと思う』
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