プロローグ

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「搦手門は、如何致した!?」  苛ついたような怒号が、張り上げられた。 「頼母殿、搦手からの伝令に御座る!!」  見れば、息を弾ませた若者が居合膝で頭を下げている。 「何事ぞ!?」  時折聞こえる砲声を向こうに回し、頼母は声を上げた。 「は!! 搦手にも多数、敵が押し寄せて居ります由!! これ以上支えられぬと、一ノ関は田村家家中(福島県田村市船引町)足軽大将からの伝言に御座います!!」
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