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「絶対ラピュタあるよなあ」
緑色のフェンスの向こうにいる彼は、大きな雲を指差してポツリと呟く。
「ラピュタってガリヴァー旅行記に出てくるラピュータ?」
「そうソレ」
私の言葉に彼が微笑んだことが嬉しくて、思わずニヤケてしまった。
落ち着け私! 好きな人の前でニヤケるなんてもってのほかだ。
「ラピュタはジブリか」
色素の薄い茶色い髪。
嘘みたいに白い肌。
彼はなんだか全てが美しかった。
フェンスにもたれかかり、幅が3メートルもないような屋上の向こう側で、彼が眩しく煌めいている。
「飛べるかな」
「へ?」
「なんだか俺、空を飛べる気がしてきたよ」
「冗談でしょ? ハハハ……――アレ? 今の笑いどころじゃないの?」
「うん。マジだよ」
と、二重のハッキリした瞳が私を刺した。
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