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周瑜は軍船の自室で今までの事を振り返っていた。
昨年の冬、曹操が100万を号した大軍を引き連れ揚州手前に迫った。しかし、季節外れの東南の風が吹き、火計を利用して大勝利を収めた。
そして2ヶ月前、その勢いを保ったまま南群の曹仁を破った。その時に毒矢をくらったが、孫権がよこした名医・華佗のお蔭で今は元気だ。
そして今は、益州の白帝城が目前に迫る長江の江上である。
「周提督」
陸遜が報告に来た。
陸遜、字は伯言。妻は孫策の娘。頭の回転は速いが、名声が少ないため、あまり重用されていない。
「白帝城の前で2万の軍が展開しています。いかがいたしますか?」
「呂蒙と凌統、それに程普殿の3万。思いっきり暴れてよい、と伝えよ」
陸遜が出ていった。
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