17 風にのせて(後編)

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  (……本当に、あの藤乃が……姉上を裏切っていたのかな……)  公雅が、腕を組んで思い悩み始めた時、にわかに屋敷の外が騒がしくなった。  はっとした公雅は、すぐさま、きびすを返す。 (父上が帰ってきたに違いない!)  もっと詳しいことが父から聞きたい。  何かが引っかかる。  大股で廊下を歩きながら、建物の外へと出た。  すると、すぐに、門のところにいる父の姿が目に入る。 (……え!?)  公雅は、自然と駆け足になりながら、だんだんと大きくなる父に視線を送り続けた。  だが、そこには、馬にまたがった父の姿と、明らかに狼狽えている馬番しかいない。  馬番は、父が敷地内に姿を見せた直後に駆け寄ったのだから、つまり、父がたった一人で戻ってきたことになる。
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