17 風にのせて(後編)

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 しかし、やはり様子がおかしい。 (まさか……!)  公雅の全身をざわざわとした悪寒がかけ上がった。  何かあったのだろうか。  天下一、気丈な父が心を壊すような、衝撃的なできごと、──愛娘の死──のような! (姉上が死んだなんて、そんなことあってたまるかっ!) 「あ、姉上は!? 一緒ではないのですか!?」  公雅は声を荒げながら、すばやく姉の姿を探した。  そして、はっとなる。  騎乗している良兼の背後に、何者かの下半身が見えたからだ。 「……姉上!?」  弾かれたように、公雅がその人物を馬から引き降ろして、息を呑んだ。見覚えのある顔だ。  すぐに、姉の背後にいつも控えていた男だという考えにいきつく。 「これは……姉上の……」  
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