第二話 猫耳な彼女

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とりあえず手をぐるぐる巻きにしたので止血は出来た。 まぁ傷は浅くなかっただが、なにより、隣に犯罪者もどきがいる。まぁ届出はしないつもりだ。 だってネコミミを犯罪者にしたくないものッ!! それより……も、このネコミミ触ってもいい? いい? いいよね!? やべぇ……理性崩壊か!? 俺、理性崩壊か!? ……まぁ絶対にそれはないけど。 てか触るの許可をとろう。罪悪感でいっぱいになる。 「その耳……触「だめ」 即答された。泣きたい。 耳……触りたい~。 めがっさ触りたい。あ、じゃあ尻尾は!? 尻尾はだめか? 尻尾はいいよなッ!? ……俺必死だな。 「じゃあ尻尾は?」 「……一日三回まで」 三回? まぁいいか。よし、朝昼晩だな。てかこの子どうするか……。 刺された仲だしな……。 いや、どんな関係だ。 って訳で俺は尻尾に触らせてもらう。 偽物にしてはよく出来てる。……あ、今動いた。すげぇ~、今の機械はハイテクだな。 「…………。」(棗) 「…………。」(俺) 会話がない。……どちらかというと彼女は無反応で冷蔵庫の魚のマグネットをいじっている。 なんか……ロボットみたいだ。なんていうか、自我を持たないってやつ? 「君は……ロボットなのか?」 色々と考えていても埒が明かないので、思いきって聞いてみた。ただ頷くだけなのか……? 「…………違う……」 彼女は、隣でマグネットをいじるところを見ている俺の手を掴み、彼女の胸元に……。 も、揉んじゃってもよろしいのですか!? ……いや、彼女が自分から何かをしてきた。まずはとりあえず身を任せてみよう。 「……生きている。……聞こえる……?」 「……あぁ」 トクトクと脈を打つのが、手を伝わって分かる。 まぁ実際には聞こえるではなく、伝わってる? の方が正しい気がするが、この際、そんなの関係ねぇー。 ……彼女は……、何なのだろうか、いや、何なのだろうかでは失礼過ぎる。とにかく色々と聞いてみよう。 まずは彼女がどんな状況かを知らないと。何かしてあげられるかもしれない。 なんか俺……お人よしだな。……まぁそれでも……、 いつもと違うこの一日に、何故か俺は妙な期待をし始めていた……。  
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