第二話 猫耳な彼女

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……ちなみに俺はさっきから胸に触れている手とは反対の方の手で尻尾を触り続けている。 どうしても離したくない。物凄いこの手触りがいい。 この……毛並みっていうの?なんとも言えないこの質感、最高。 てか本気で偽物とは思えない。まさかとは思うが……、 「そのネコミ……耳と尻尾って本物か?」 「…………こくっ……」 ……ん?ちょ、今よく聞こえなかったんだけど? 「え? もっかい」 「…………こくっ……」 まぁ聞こえなかったのは当たり前だ。だって彼女は何も声を発していない。小さく頷いただけだ。 いや、問題はそうじゃなくて……、……本物!? は!? この子は何を言ってるのかな? ……と、心の中ではそう言ってはいるが、心の中の奥底では信じてしまう俺がいる。 ……これくらい……うん、だってネコミミ少女がいうんだもん。なんでも信じられます。 じゃあさっき言った通りこの耳も……? …………ごめん。どうしても触りたいのだよ。 「……………………!」 俺が触れた瞬間、彼女は大きくたじろいだ。 猫らしく爪をシャキーンとはさせずに、ただこちらを睨みつけて黙っている。 耳もぴんとたて、尻尾も俺の手を払ってきた。 「あの~……棗?」 「……………………………………。」 ……あれ? 「……棗さん?」 どうした? 「…………………………………………。」 あらら? 返事がないな。うん、反応さえない。 「頭撫でてもいい?」 物凄く必死な俺。 「…………………………………………。」 超微妙に感じる冷たい視線。 なんか……ごめんなさい。機嫌損ねたらしい。 今は何を言っても無理そうだ。そっとしておこう、なんせ俺が悪いんだし……。 彼女はずっとこちらを睨みつけている。 別に怖いって訳じゃない。 いや、逆に激萌えだ。ネコミミがいい具合に醸し出している。 ただ、そんな彼女を見つめていたい俺がいるのだった……。  
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