第二話 猫耳な彼女

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……俺のヲタクROOMに到着した。てかまぁ長くも短かった階段だった。 おんぶしてたら、いくら軽いっつったっても、何度かこけたのだが。 とにかく、彼女を落とさなかったことがなによりの不幸中の幸いだ。 とりあえずカーペットの敷いてある所にゆっくりと降ろした。なんかここで起きたらなんかが、何かがもったいない気がする。 ……今ならこの耳触ってもいいよな? 寝てるし。うん、大丈夫、ばれなきゃいいんだよ。ばれなきゃな。 「……ふみゅう……」 微妙な寝言をいいつつ、無意識に首を左右に振り、拒否する彼女。相当触られるの嫌らしいな。 今度からはやめてやろう。尻尾触れるんだし。 ……今度? この子が起きたらどうしよう。すぐにこの家から出て行くのか……? ……勿体ない。一度お持ち帰りしたものだもの、なんとしてでもここに残らせてやる! ふ、天下のネミコンの名が廃るもんな、いっちょ、やってやる。 でもまぁ彼女が起きるまではネトゲでもやってよ~っと。三次元もいいけどやっぱ二次元だよな、うひひひひ……。 俺は第二の机に置いてあるパソコンを起動し、お気に入りのページを開いて、萌えるおにゃのこ達に会いに行っt(ry 「…………みゃあぁ……」 やべ、これ起きたんじゃね!? 今の状況を女子が見たら完全に引くぜ本気で。 「お、おはよ……棗さん」 「…………おはよ……」 先程のことは全く忘れているらしく、いつもの無表情で返答した。 それよりも……だ。彼女をどうしてもここにとどまらせなきゃな。 「なぁ棗? お前今日どっか帰るところあるか? ないんだったら今日は俺ん家泊まってくか?」 「…………こくっ……」 よし、彼女の特性からしてこうなることはある程度予測出来ていた。 でも一応尋ねておこう。そう思った時だった。 「……帰るところ………………ない……」 初めてかもしれない彼女からの言葉。 「じゃあ棗、どこから来たんだ?」 「……分からない。……逃げてきた……」 無表情でそう答えた。逃げてきた? ……なんか訳ありだな……。 まぁネコミミだからどっかの変態からとかだろう。 いや、肉体改造した研究所からとかか……?  
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