第八話 アニメと彼女

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…マジで彼女は何のテレビ番組を見たんだ? 結構なお味って…具体的にはどんな味だよ?とツッコミを入れたい部分も若干ながらあるが、 まぁ…そこはスルーしておいてくれ。 「んで、とりあえず聞いておくが、この味は棗は好きか?」 「…………こくっ…」 うん、こういう返答が欲しいよな。 ……好きなんだって、こういう味。結構甘めに作ったこの卵焼きの味を。 …すまん、俺の文章力だとここまでが限界だ。 とにかく、感想も聞いたわけだし、俺もいつの間にか食べ終わってしまったことだから、…話を少し飛ばしてもいいのだが……。 ここはあえてそのフラグを建てないことにしよう。 俺…は、まだ残っている卵焼きに手を延ばす…いや、不器用な感じで箸を延ばしている彼女の方を向いた。 …そういえば彼女、箸使えたんだな。 若干持ち方なんかが変だけど。…まぁそこが健気で可愛らしいところだ。 さて、ここらへんで、彼女を眺めながらの脳内会議でもしようか。 俺が思うに、 …やっぱりそんな彼女の特徴と言えば猫耳だ。尻尾だ。 ……彼女には失礼なことになってしまうのだが、猫耳と言えば代表的な属性の一種だ。 ……外見の方の属性の一種だな。外見の属性は、中身の属性も揃っていなければ成り立たないと思う。 彼女は、外見は猫耳属性、中身は…まだよく分からない。 でもまぁあれだ、この頃俺はそんな彼女の中身に惹かれるようになって…きたのか? ………ん、笑うな。 …なんか恥ずかしいのでここらへんで脳内会議は終了とする。 あ、あれだ、彼女も調度食べ終わったことだし。 さ~て、皿でも洗いますかなっと。  
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