第八話 アニメと彼女

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テレビ独特の静電気を帯びたようなあの音とともに、テレビは光源と化した。 …幸いなことにまだアニメのチャンネルにはなっていない。今ならまだ間に合う。うん、手遅れにならない今のうちに………て、あ。 ピッピッピッ………。 彼女の軽快なボタンを押す音と共に、画面に表示されている映像が変わる。 「え、ちょ、ま、タンマ!」 「……………………。」 ピッピッ…という音は止まらない。 え、ちょ、棗さん!?無視ですか!?放置プレイですか!?…僕は断じて認めません! …と、いや、待て。そんなジョークをかましている時ではない。 刻一刻とその時…いや、チャンネルがやってくる。 そして…彼女が手を止めた。 ………ようするに…うん、神はこういう時は味方してくれない。 いつもゲーム盤の台上を自由気ままにいじくり、好きなように変える。 ……まぁこの小説やってる俺がしていることなんだが。 …とにかく、意地悪な神はテレビの画面を、俺の狙っていたもので止めてしまった。 隣には目を輝かせるようにそれを見つめる彼女。ええ、分かりますとも。だいたいの表情の変化は察知出来るようになりましたわ。 …録画ボタン押すの面倒になってきたな。 ………はぁ…もう、どうにでもなれ、だな。 俺は彼女が体重を乗せているテーブルの向かい側に座り、これまたテーブルに肘を付き、首だけを画面へと向けたってわけだ。  
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