第八話 アニメと彼女

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そんでもってアニメも中盤に差し掛かった時だ。 必ずCMが入るんだよな…。アニメに限らず全ての番組についても…だ。 まだCMには入ってはいないんだが…な。でもまぁ、ストーリー的に考えてそろそろなはずだ。 俺は時計を確認。ほら、時計の四分の一より若干手前な位置に長い針が。 ……カウントダウンでもしておくかな。いや、面倒だからいいか。 とまぁそんなことを考えていたら…だ。 ほら、思った通りCMだ。別の適当な車とかのいろんな奴が数秒間を使って争いを繰り広げてるあれだ。 まぁあれだよな。数分間しかないのに、この間だけはものすごーく長く感じるよな。 さて、こんな暇な時間、どう過ごすかなんて決まっている。 棗を見る、それだけだ。 若干話は変わるのだが、 …この頃は棗のあまり変わらないあの表情も、若干は読めるようになった。 そしてまぁ…今の表情は初めてみる顔だ。 俺の中の棗センサーがそう言っている。 …無表情なんだけどもどこかいつもと違う。 甘いものを食べてたあの嬉しそうな顔でもなければ、疑問を抱いている時の顔でもない。 近いものといえば…初めて会った頃の、俺に『ネコミミ』と言われたときの、あの顔に似ているかも知れない。 ……ん? ……あ、今戻った。 テレビの方は調度CMも終わり、再びアニメが始まったようだな。 まさか…あれか? イライラの顔だったのか?  
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