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……こちらを見続けて数分。彼女は瞬き以外ほとんど動かない。
なんだよ……何を要求している?
喋んなきゃ分からないからな。
「棗?何が言いたい?」
「……………………。」
む、まだ無言か。理解はしているはず。理解はしてるんだよ絶対に…。
そのまま睨めっこを続けること数十秒。
………あ~もう!何が言いたいんだよこの子は!
……ととと。短気は損…だよな。落ち着け俺。彼女が無口なのは分かっているじゃないか。
何を考えているかを読まなくては。
……駄目。全然分かんねぇ。
全くもって分かるはずがない。
ちくしょ…どうすればいい?はぁ…どうすればこの状況を打開出来る?
そんなことを考えながら数十秒。
……彼女が俺を見つめるのをやめた。
…はぁ…全く…どういうわけだ?読めない。彼女が読めない。
「……棗?」
「…………………。」
あれ?
「……棗さん?」
「…………………。」
…これはまさかの無視ですかい?
……気のせいだよな?いや、気のせいにしてくれや。
「………お~い」
「………………………………………………。」
お、懐かしいなこの必殺沈黙拳。
じゃなくて……何故彼女は…その…イライラの顔をしてるんだ?
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