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俺と棗、それぞれが自分の支度をしたあと、テレビの前に座った。
……棗に何見せるか…だよな。さっき見たアニメの第一話でいいよな?
とりあえず最初から見せてみせてみよう。
「それじゃ…つけるからな?」
一応彼女に確認。まぁ返ってくる返答は一つだと思うけど。
「……………こくっ…」
…ほらな。うん、まぁこれが彼女の正式な返答だし…。
でも、何度も言うが…言葉で返して欲しい俺もいる。
若干の複雑な心境だ。
俺はテレビの電源、及びDVDプレイヤーの電源を入れると、さっき俺のヲタルームから回収してきたDVDを入れる。
その間中、彼女はずっと動かなかった。
いや、あえて言うなら、首から上はこっちを見ていた…だな。
……俺のすることを見て見て、どうやってDVDを見るか、覚えられたら大変だな。
彼女にはいい暇つぶしが出来ると思うけど。
「……棗、どこらへんが面白いんだ?主人公?ヒロイン?その他大勢の愉快な仲間たち?」
「………………全部」
ユニークという返答を期待していた俺を誰が責められようか。
若干の期待だ。妄想だ、理解してくれ。
全部…か。…そんなことをいうあなたの全部が愛おしいです。
……と、ベタなことを言ってみる。
…まぁ満更違ってるわけじゃないんだけど。いや、合ってるな、だいたい…。
まぁそんなわけで、その後の彼女は、俺がいくら話しかけても、なーんにも反応してくれなかったってわけだ。
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