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……思った通り、若干のイライラ顔を浮かべる彼女。
こちらとしてはやや話し掛けにくい気が……。
ややなんてものじゃないか。
なんか周りとは違うオーラ放ってる気が……しなくもない。
まぁ目にはまったく見れないんだけど。
…とにかく、棗に話し掛けようか。それからじゃないと話は進まない。
「………棗?」
何故疑問詞かは俺でも不明だ。
「………………?」
無視するかと思いきや、彼女意外にも普通な顔でこちらに振り向く。
…うん、さっきまで無視してたんだよ?こっちが驚くのも普通だろ。
「あ、いや、その…面白いか?」
そういえば言葉を考えていなかったな…。話かけて戸惑っているのは俺の方じゃないか。
「………こくっ……。…さっきも言った…」
……驚くぐらいでは済みそうにないな、これは。
棗特有の頷きのあと、彼女は何をした?
なんか自分から話を進めてきたよ?
思わぬ進展だよ?
予期せぬイベント発生だよ?
ちょ、これはさすがに俺でも戸惑いを隠しきれない。
それどころか、今なら後ろを向きながら階段を上り下り出来そうなくらいだ。
「……え、あ、そうだっけ…な。…む、そろそろアニメの続きが始まるぞ?」
「…………こくっ…」
ちょ、俺、話流してしまいました。
緊張するなよ、俺。唯一のチャンスを無駄にするなんてどうかしてる。
……ちッ、時間だ。
CMが終わってしまった。彼女はまた、テレビの方に目を戻すと、……再び俺なんかには目もくれずに………はぁ。
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