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「…どうした?いきなり…。寝ぼけてるのか?」
「………名前……!」
凄い強い意思を見せた彼女、
てか俺の質問は軽くスルーですか。…まぁ、今の状況俺が彼女でもそうしただろうけど。
………ふぅ。
てか何故俺は答えない?……いや、何となく俺は分かる。
俺は…実は今は冷静なんかじゃない。心なんかが動揺しまくっている。
……言葉に出ない。
さっきの言葉は、珍しく彼女が発した言葉。彼女が俺に質問してきた。
……俺がその扉を閉めてどうする。
……あけなきゃ…な。
「できれば……作者……って呼んでくれ。その方が話しを進めやすい」
……はは、この状況でも作者クオリティだ。自分に笑っちまう。
…でもまぁ……うん、俺は作者なんだ。この物語の、この作品の。
…おっと、この状況、こんな説明とかはいらないよな?
…いや、いらないと言ってくれ。
「………作者……?」
彼女が口を開いた。そして、その短すぎる単語は……俺の名前。
「……あぁ、…作者な」
「…………こくっ…」
……彼女は小さく頷くと、またテレビの方に首、目、体を戻した。
…彼女にとっては特に意味のないことだったのか……?
それでも…俺は満足だな。……こんな小さなことでも嬉しいと思える…。
…よかったわ、俺。
さ~て、気分を戻すとするか。テレビでも見よう。……いや、テレビを見るふりして心を落ち着かせよう。
………うん。
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