第二話 猫耳な彼女

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……さて、彼女は小一時間ぐらいで帰ってきた。 ちぇ、かおりんといいところだったんだけどな。 もう少し……のところで彼女が窓から侵入してきた。 ちなみに彼女の表情は先程と同じ無表情だ。 「何してたんだ?」 「……何も……」 スルーですか。……まぁ猫さんだからご近所付き合いでもしてきたんだろう。 特に俺は興味はない。 「…………お風呂……」 「え? あぁ。…え!?」 彼女はそういうと、いきなり上着を脱ぎ始めた。まぁジャケット的なものだから中にはまだ服を来ている。下着ぃ~! 「……(ポーカーフェイス)あ、じゃあ風呂に案内してやるよ」 ジャケットの中の服に手をかけていた彼女は手を止めて、こちらに瞳を向けてきた。 「ついてき……あ、ちょっとタンマな。メール来てた」 実は三次元ポケットに携帯が入っている。パソコンをいじってたら気付かなかっただろうよ。 俺の好きな萌えアニメのキャラソンが辺りに流れる。 えっと、内容は母さんからだった。 『今日はバーに泊まるからご飯は適当に食べておいてね♪」 ……母さんはスナックに働いている。たま~に、ぐでんぐでんになって帰ってくるが、この頃は俺がそこに泊まるように言ってある。 この様子だと明日・明後日は帰ってこないな。……好都合だ。ふひひ。 『了解。稼いでこいよ』 俺はそう返信して、彼女を連れて風呂場へと向かった……。 あ、待てよ? 「着替えはあるか?」 「……ふるふる……」 彼女は小さく首を振って首を傾げた。 まぁここに来る時は手ぶらだったからな。 「じゃあ母さんの使うか? ばれないだろ、一枚くらい。それと寝間着も」 「…………こくっ……」 って訳で俺は、彼女に少し待っててもらうとともに、母さんの部屋に侵入もとい服を回収に向かった。  
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