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……さすがにもう省いてもいいんだよな?朝ご飯。いつもと変わらぬ朝ご飯だしな。
あの軽快な、トン トン トン トン トン チーンという、料理を作るうえで必要なのか分からない音が脳内で響いた俺。
お料理ゲームのやり過ぎだな。
ついでに、三回目の『トン』の時に二階から物凄い音がした気がする。
まるでベッドから落ちたような…そんな音だ。
……うん。
今日は起こしに行く必要はないようだな…。
彼女の頬っぺたつっつくの楽しいのに。
そしてしばらくすると、彼女が二階から落ちてき…違う、一応…降りてきたのか。もちろん寝ぼけ眼で。
「………ぅぃー………」
なんか萌えボイス放ってるよ~。目を擦りながらこちらに歩みを進める彼女を見るだけで、俺の心はほんわか花畑気分になる。
「おはよ、棗。ご飯出来てるからテーブルについてくれ」
「…………こくっ…」
彼女は小さく頷くと、ふらっふらな足どりでテーブルへとたどり着く。
なんかもう…目、開いてませんね、ええ。
そこがまた可愛らしいんですけどね、ええ。
尻尾ゆらゆらとかしてる彼女がいいんですよ、ええ。本当に。
さて、俺も食卓についたわけだが、先にまず、彼女に聞いておきたいことがある。
「今日のお昼…チョコチップパン、メロンパン、蒸しパン、どれがいい?」
この前買い出しに行ったときに買ってきたやつだ。
でもまぁ…やっぱりパンだけじゃ飽きるよな…。まぁ彼女が飽きてなきゃいいんだけどさ。
「…………………?」
全部食べてみなきゃ…分からないか。
まぁ全部同じパンだけど。
「じゃ、今日はこれ全部置いてくから、お昼に好きなやつ食べてな」
…これが一番いい選択だよな。好き嫌いが分かるかも知れないし…な。
それに対しても彼女は小さく頷いた。
さて、彼女も朝ご飯も食べ終わったことだし、俺もそろそろ学校行く支度するか。
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