第九話 運動会準備と俺

9/27
前へ
/558ページ
次へ
「ただいま~っと」 玄関の扉を開け、当たり前の台詞。ええ、普通が大切なんです。 そんでもって、ただいまと言ってから数秒後、奥からトテトテと歩みを進めてくる猫耳な棗さん。 ……え、ええ、普通が大切なんです。猫耳?普通ですよ、俺にとっては。 「……作者ぁ~……」 ……『おかえり』と言ってほしい作者だ。名前を普通に読んでもらえるだけマシか。 いや、奥から出てきてくれるだけラッキーか。寝てたら来てくれないもん。 今日の運気に感謝だ。 さて、靴を脱ぐetc..をしたあと、俺はリビングへと向かった。 まぁ向かうと言っても数歩だ、数歩。 リビングのテーブルには、減ったようには見えないチョコチップパン、丸々一個減った蒸しパンなど、朝よりかは若干パンの個数が減っているように思える。 チョコチップ…減ってないな、これは。あれか?猫にはチョコは毒…というのが棗にも発動か? 棗の別の意味で『猫舌』の能力が発動されたのか? まぁとりあえず、その他蒸しパンは俺でも分かるくらい減っている。 というより、テーブルには蒸しパンは一つしか置いてないもの。 あれだよな。 蒸しパンて甘いよな? 栗蒸しパンは甘いよな? …ってことは、彼女って甘党…だよな、うん。 勝手な想像ですまないが…多分そうだろ。 今度試してみよう。辛いのとかすっぱいのとかいろいろ。 いろんな表情が見れるといいな。  
/558ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4719人が本棚に入れています
本棚に追加