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「本当に食べない?」
「…………………。」
…やばい、棗いじり面白い。まぁ…沈黙拳される前にやめるけど。
まぁ…無駄に反応のでかいどっかの芸人よりかは全然面白い気がする。
…なんていうか…クールビューティ?…あ、意味合いが違うか。
「じゃあこっちは?」
今、俺の手の中にあるのは蒸しパンだ。
ページが変わる読み込みの時間にキッチンからとってきた。
これは俺しか出来ない荒業だな。他の作者さん、是非やってみてくれ。
さて、彼女の出方だ。どう反応するかな……?
「……食べる。…半分」
…食べるんだって。
超変化微妙な、かの有名な、いわゆる『あひる口』をしながら、半径一メートルの範囲にいなければ聞き取れないような声量で彼女は俺に答えた。
てか…必然的に俺も食べなければいけないらしい。
ほら、半分だって。
残したらパン、渇いちゃうじゃないか。
チョコチップパン食べてたから、実は若干お腹がいっぱ…いや、なんでもない。
頑張れば人間、なんでも出来るんだよ。
俺は蒸しパンを半分にし、片方を彼女に渡した。
…蒸しパンね…。どうやって作るのか…何故か無性に知りたい。
障害に一度は作ってみたい作者だ。
そんなことを考えながら蒸しパンを頬張った。
彼女も微笑を浮かべて蒸しパン食べてるし、お腹いっぱいとか関係ないよな。
彼女が満足なら俺も満足なんだ。
俺はきっと幸せ者なんだよ、多分。
……こんなこと考えてられるからな。
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