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そんな感じで十数分、棗について、そして運動会について、あーだこーだ考えをめぐらせていたわけだ。
しかし、母さんの現れる気配は全くない。
こりゃ明日になるかも…。早いうちに寝た方がいいかもしれないな。
「棗、じゃあ俺、風呂入ってくるから。それとも棗が先に入るか?」
隣にいる棗に俺は聞く。
それに対して、彼女も反応を見せる。
「………ふるふる」
…よし、彼女に許可はとった。これで安心して風呂に行けるというわけだ。
そう思い、立ち上がろうとしたとき、俺はまた、服の裾に違和感……いや、もう言わなくてもいいよな?
「どうした?」
もちろんのこと、彼女。
「……アニメ…見る」
あ、つまりはDVDをつけろと?まぁ…了解しました。…棗、この頃口開くようになったな…。俺としても嬉しい限りですよ、はい。
俺は立ち上がり、DVDを起動。…アニメの内容は…あれだ。昨日見たやつの続き、第二話だな。
「よし、それじゃ。ごゆっくりとご堪能下さい」
「…………こくっ…」
彼女が『堪能』という単語を理解しているのかは不明だが、とにかく、彼女は小さく頷いた。
さて、俺はリビングを出て、生活ルームへと着替えを持ちに行った。
風呂だ風呂。
一応風呂でのこと、話しておきますか…。
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