第九話 運動会準備と俺

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さてさて、in湯舟だ。脱衣所を通り越し、さらには頭洗ったり……とかを終え、湯舟の中。 この場所はいつも通り、脳内会議にうってつけの場所。 そしてもちろんのこと、今日もだ。脳内会議を始めるとしよう。 さて、今日の議題、それは『棗との同居の説明』だな。 この場合、同居と言っていいのか、定かではないんだけど……。 ま、とにかく、母さんに棗を家に済ませることを認めさせればいいんだよな? つまりは、それについての言い訳を考えればいいわけだ。今ここで。 彼女だから同居~♪とかはなんか早過ぎる…いや、意味的に彼女の了解を得なきゃダメだから無し、 家がない~……とかはさすがに無理過ぎるか。 考えればすぐ出てくると思ったけど……、案外いい案はあんまり出てこないもんだ。 風呂場には湯気が適度に立ち上がり、一種のクローズ空間となっている。 周り真っ白、頭の中も真っ白。何も思い付かない。 …は~、うん。全く思い付かないね、これは。 意外に難題にぶちあたったな、これは。 レベル的にベルリンの壁だ。 これはもう最終手段『アド☆リブ』に頼るしかないか……。 ふっ、人間、諦めが大事なんだよ。 そして…、現場でのある程度の適応能力も身につけてなくてはいけないんだ。 これはその予行演習予行演習っと……。 すまん、アドリブのごまかしだ。 ただ単に言葉が出てこないだけなんだな。 俺の言語力が問われる。なんてこったい。  
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