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「それで?話ってのは?棗ちゃんのこと?」
「……………あぁ」
ここはリビングを出て、突き当たりなのか定かではない部屋。
こんな感じだと、なんの部屋かは分からないのだが、具体的に言うと俺の『生活ルーム』だ。
鞄とか着替えとかの、生活用品とその他もろもろが置いてあるあの部屋だ。
俺にとって、ここはリビングを除く二番目に落ち着ける場所。
ということは、ヲタルームは『ある意味』落ち着ける場所になっているわけだ。
そんな中、俺と母さんはカーペットの敷いてある床に座っている。
……そして、何故か俺は正座で。
「……彼女、今日もいるのね。今日も泊まり?」
「…話はそれについてなんだ。まぁ…とにかく、簡単に言えば『かくかくしかじか』だ」
…必殺技。実のところ、小説クオリティ使いたい。うん、物凄く。
「……だいたいは分かったわ。…詳しく」
お、ノリがいいな。まぁこんなんじゃ伝わってないだろうけど。
あえてツッコミを入れないのは、見事にボケをかましてくれたからだ。
「…彼女をこの家に住ませてやって欲しい。泊めるんじゃなくて。住ませて…やって欲しい」
言っちまったよ、俺。もう言葉の言い回しは出来ない。
いきなり具体的なところ言っちまったな。
「………わけあり?」
「……そう、わけあり。いろいろと…な」
いろいろと……うん。
「……いいわよ。どうせ私はこの家放置してるし。権限はあんたにあると言ってもいい。
…というけども…大丈夫なの?彼女の方は」
ん、どういう意味だ?
俺の背筋に嫌な汗が流れる。…もう後戻りは出来ない………気がする。
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