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「彼女の方の親の了承は?住んでたところはどうするの?」
「それについても今から説明するよ。まぁとにかく黙って聞いててくれ」
俺は母さんの言葉を遮り、そのあとを続けた。
実は母さんが仕事へ行ったあとも、彼女はずっと俺の家に泊まり続けていたこと、
棗の…保護者っていうのかな?それが不明なこと。
そのほかも知っている限りのことを話した。
そして…彼女の尻尾、猫耳は付け耳などの偽物ではなく、『本物』であることも。
「…信じられない…。でも…信じなきゃいけないんでしょ?」
「そこらへんはよろしく頼むよ。まぁ…彼女もきっと母さんに心を開いてくれるよ」
…棗が家族の一員…か。
今度からは堂々とリビングにいて、ぐだ~ってしててもいいんだ。
堂々と食卓にいてもいいんだ。
堂々と…この家にいても…いいんだよな。
こんな簡単に大事な物事を決めてはいけないのは、俺も分かっている。
でも…今は心の底から喜んでもいいだろ?
「…でも…食費とかが増すわよね…。どうしたものかしら…」
ちょ、そこ。いきなり現実に引き戻さないでいただきたい。
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