第十話 グダグダな彼女

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悩みに悩んだあげく、今日はカレーで。 棗が食べれるのかは不明なんだけど。カレーはお子様の好きな夕ご飯ベスト3に入る。多分大丈夫だろう。 そういうわけで、カレーの材料とかを買い、今俺は商店街を後にし、自宅への帰路をたどっている。 帰路っていっても、ほんの百と数十メートルなだけなんだけど。 やっぱり近いってのはいいわ。とてつもなく便利だ。 自宅が商店街に近いってことは、裏返せば、商店街は自宅に近いってこと。 そんなわけで、数分歩けば、ほら、自宅に到着だ。 買い物袋を引っ提げて道を歩くのはもう慣れたからな。 慣れれば自宅への道も、気持ちで近くなるというもんだ。 自宅玄関前、 そういえば今朝は鍵を閉めて出ていっていない。 そのまま入れるんだったな。 俺は玄関の扉を開き、中へと入る。 ……そして、靴を脱ぐ前にすることが一つ。 「ただいま~……」 これが日本のしきたりだよな。守らなくては。 ……しかし待つこと数秒。 いつもなら無言ながら出迎えに来てくれる彼女が今日は出てこない。 それどころか足音さえしない。 まさか…空き巣にでも入られたか…!? …書いてる側として、話が急過ぎるよな、さすがにこれは。 …しかも…、棗がいる時点で『空き』ではないか。 てか俺、こんなところでボケをかましている暇はない。 棗が…、彼女がこの家にいるかを確認しよう。 俺は靴を即刻脱ぐと、急ぎ足で中に入っていった…。  
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