第十話 グダグダな彼女

8/27
前へ
/558ページ
次へ
さて、扉を開ける躊躇いを振り切り、俺は中へと足を踏み出す。 ……いや、その前に扉を開けたのだが。 この際そんな小さいことは放っておこう。 眼中に映るのは彼女の寝顔。 物凄いこちらに安心感を与えるような…可愛らしい寝顔。 そんなものが俺の目を治療してくれます。 さて、ここまでは俺は彼女に対してのほほ~んとすることができる。 しかし…だ。 俺は一つだけツッコミをいれたいことがある。 何故かは知らんが俺の布団に包まっている彼女。…彼女のと化したベッドの上で。 俺の布団に包まっていたのもこの際スルーしよう。さっきもそうしてたんだし。 しか~し、ベッドの上に戻っているのはスルー出来ない。 だって…ほら、上に戻ってるってことは一回起きたってことだろ? 起きなかったとしても、一度は意識があったはずだ。 ……リビングに出てきてくれればよかったのに。 はぁ……出来ることなら俺だってずっと寝ていたいわ。 ……む、なんか知らんが無性に腹がたってきた。 すやすやと眠りやがって。起こしてやりたい。 うん、頬っぺたつっついてさ。 ほら、ぷにぷにぷにぷに。さぁみんなもご一緒に、ぷにぷにぷにぷに。 …まだ触ってないんだけどさ。 ほら、頭の中で楽しむってのもアリなわけよ。 まぁ…でもな、行動で、指で感じなきゃつまらないよな。 棗さん、すみません…、触らせていただきます。  
/558ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4719人が本棚に入れています
本棚に追加