第十話 グダグダな彼女

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彼女をどかして、カレーの準備を始めようかと思い始めた数分後。 運よく彼女は調度よく寝返りをうってくれた。 ふぅ……、これでなんとか動ける。 ぴったりとフィットしていた彼女の頭が、ほんの少しだけ横にずれたからだ。 ちょっと動けば彼女の頭 、なんとか外せそうだな……。 ……猫耳に触ってしまうかも知れないが……、とにかく今はそんなのはおいといてくれ。 今気付いたが……、足が痺れてきた。 正座って血行悪くなるらしいしな……、あんまり俺はオススメできない。 彼女の頭をそっと浮かせるように手をそえ、膝からゆっくりと降ろす。 なんとか片手で彼女の頭を支え、近くにあったクッションをはめておきました。 頭はやっぱり高くしておかないとな。枕ってもともとそういうために存在してるんだし。 とにかく俺は痺れかけた足で立ち上がり、大きく伸びをしたあと、キッチンへと向かった。 カレーはできているんだ。温めたり、食卓への準備をしたりして、この時間は少しずつ過ぎていく。 ……カレーって作ったら楽なんだけど、皿洗いとかが面倒なんだな、これが。 油汚れは頑固ってこった。服に垂らしたりしないようにしないと。 まぁとにかく……、まだ彼女は起こさなくてもいいんだよな? 彼女には今のうちにゆっくりと休んでてもらわないと。  
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