第十話 グダグダな彼女

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……あ、休んでてもらう理由? ……まぁあれだ、今日は母さんもいないし、本気で彼女と話をしてみたいと思う。 寝ぼけ顔の彼女と話をしても、なんか会話にならなそうだしな。 今日はしっかりとした彼女と話がしたい。 ……まぁ、俺の問いに答えてくれるかは別として。 それは今からの機嫌とかが影響してくるよな。 こっからが俺の勝負時だよ、マジで。 俺はとりあえず温めたカレーの火を消し、キッチンを出て、彼女の元へと向かう。 ……まぁ何度も言うように、キッチンとリビングはそんなに離れてはいないんだけどさ。というか目と鼻の先だ。 俺は彼女の元に向かい、彼女の体……いや、顔の前でしゃがみ込んだ。 ちなみに彼女の胸から下はテーブルの下にあることを覚えていてくれ。 ……起きたときにいろんな意味で危ないから、まだテーブルの上にカレーを持っていくのはやめておく。 「棗、そろそろ起きてくれ。朝……じゃないか。そろそろ夕ご飯にするから。 棗の分まで食べちゃっていいのか?」 実際のところ、棗の分は本当に極少量。食べてしまおうと思えば簡単に食っちまえる。 そして、俺の問いに小さく首を振ってこたえる彼女。……まだ目は開いてないけど。 「じゃあ起きてくれ。早く、今すぐに」 「…………むー……」 なんか意味不明な声を発する彼女。 ……まぁそんな声も可愛いから許す。 彼女は上半身を起こし、体を『くの字』に曲げた。 ……でも、胸から下はテーブルの下にある。 ……お腹、強打しちゃったわけだ。  
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