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……あ、休んでてもらう理由? ……まぁあれだ、今日は母さんもいないし、本気で彼女と話をしてみたいと思う。
寝ぼけ顔の彼女と話をしても、なんか会話にならなそうだしな。
今日はしっかりとした彼女と話がしたい。
……まぁ、俺の問いに答えてくれるかは別として。
それは今からの機嫌とかが影響してくるよな。
こっからが俺の勝負時だよ、マジで。
俺はとりあえず温めたカレーの火を消し、キッチンを出て、彼女の元へと向かう。
……まぁ何度も言うように、キッチンとリビングはそんなに離れてはいないんだけどさ。というか目と鼻の先だ。
俺は彼女の元に向かい、彼女の体……いや、顔の前でしゃがみ込んだ。
ちなみに彼女の胸から下はテーブルの下にあることを覚えていてくれ。
……起きたときにいろんな意味で危ないから、まだテーブルの上にカレーを持っていくのはやめておく。
「棗、そろそろ起きてくれ。朝……じゃないか。そろそろ夕ご飯にするから。
棗の分まで食べちゃっていいのか?」
実際のところ、棗の分は本当に極少量。食べてしまおうと思えば簡単に食っちまえる。
そして、俺の問いに小さく首を振ってこたえる彼女。……まだ目は開いてないけど。
「じゃあ起きてくれ。早く、今すぐに」
「…………むー……」
なんか意味不明な声を発する彼女。
……まぁそんな声も可愛いから許す。
彼女は上半身を起こし、体を『くの字』に曲げた。
……でも、胸から下はテーブルの下にある。
……お腹、強打しちゃったわけだ。
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