第十話 グダグダな彼女

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カレーとかその他を彼女に運んでもらい、本日の食卓へとありつく。 今日の夕ご飯は棗も手伝ったんだぜ、いえい。 ……直接は関係ないんだけど。 ほら、何事も気持ちの持ち方っていうじゃない? さて、そんなわけで、俺は棗の座る、テーブルの向かい側に座った。 彼女に感想を聞きたいところなんだが……まずはこれからだ。 「よし、それじゃ……いただきます」 「……いただきます」 今回は彼女も答えてくれたようだ。極小の美声でいただきますと。 日本人の文化の極みですな、はい。 ……棗が日本人なのか不明なことは今は別として。 いや、日本人だ。日本人だと信じよう。 ……信じれば叶うんだ、きっと。 さて、そんなわけで、箸ならぬスプーンで食を進めている俺と彼女。 そろそろ感想を聞きたいと思う。 「どう? この味は気に入ったか? それともちょっと辛過ぎるか……?」 「……ふるふる……。……問題ない」 ……おお。今日は驚きと発見の連続だな。 問題ないんだって。遠回しに言うとこの味は嫌いじゃないんだって。 この頃は彼女が口を開くのに過剰な反応をしなくなったちょっと大人な作者だ。 「そうか。そういえば……今日はよく寝たみたいだし今夜は夜更かし出来そうだな」 ここで話を持ち出すのはどうかと思ったが……、機嫌がよさそうな今のうちに少し会話を進めておこう。 「…………こくっ……」 俺の問いに彼女はいつも通り小さく頷いた。  
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