第十話 グダグダな彼女

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  そんなわけでの今この時間。 先に風呂に入った彼女がリビングに舞い戻ってきたあと、俺も風呂に入り、そんであがり、こうして二人テーブルを挟んで座っている。 風呂……今日もいい湯だった。うん、いつも通りいい湯だったわ。 さて、風呂の話はひとまずおいといて……だ。 彼女も今の時間、暇を持て余しているのか、いつも通り、テーブルに『ぐでろ~ん』と身を任せている。 そんな姿に萌えてしまいながら、テーブルに頬杖をついている俺もいる。 彼女が暇を一人もて遊んでいるのもいいんだが……、それだとそのうち寝ちまうからな。 ここはひとまず会話にでも繋げておきたい。 俺は彼女の方を向き、彼女に聞いてみる。 「なぁ棗……。俺が学校に行ってるとき、寂しくなんかないよな? テレビなんかもあるし」 一度聞いておきたかったんだ、これ。 寂しいって言ってくれれば嬉しいんだけど……そこまで期待してちゃいけないよな。 「……………………。」 俺の問いに対して、首だけをこちらに向け、何も喋らない彼女。 寂しいんだけど寂しくない……そんなところか? でもまぁ、素直に頷かれるよりかは幾分気持ちが楽だ。 「……俺がいつも行ってる学校……、棗も行ってみたいか?」 これは俺の素朴な疑問。俺も棗と……もっと一緒にいたいんだけどな。 多分こればっかりはどう願っても無理だろうけど。 学校、棗と通えたらどんなに楽しいものか。想像しただけで、 オラ、わくわくすっぞ!! ………すまん。 「…………こくっ」 さて、俺の学校についての問いに、彼女はいつもよりかは力強く頷いて答えた。 一一一一そっか。 そりゃ行ってみたいよな。 ……運動会の休憩時間、一緒に学校周辺でも散歩してみるか。 運動会が楽しみだな。  
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