第十話 グダグダな彼女

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「学校はな、酷くつまらない場所だぞ? テレビもなければ休める時間もあんまりない。あるとすれば暇な時間だけだ」 変に期待を持たれないように、先に釘をさしておく。 ほら、運動会で一緒に散歩してるときに、『校舎内も探検してみたい』的なことを言われかねない。 いくらなんでも一般人は立入禁止だからな……、棗は運動会でもないと校庭にさえ入れない。 あ、本音をいうと、棗と一緒に学校行きたい通いたい。 でもまぁ……現実を見たらそれは実現しない夢。いや、夢を夢で終わらせないのが作者の役目だろう。 でも……、無理過ぎることはいくら作者でも無理。畜生め。神様め、恨んでやろうか。 一人小さくため息を吐き出し、鬱に浸っている俺。 俺も『ぐでろ~ん』としていたい気分だ。 そんなとき、テーブルを伝って細かな振動が俺に。 なにかと思えば、彼女が首をあげ、こちらに顔を向けている。 首をあげた彼女が小さく口を開いた。 「……作者……嫌い?」 「え? あ~っと、何が?」 彼女が珍しくも彼女から俺に口をきいた。……しかもちゃんとした日本語で。 ただ、何が言いたいのかは俺には分からなかったのだが。 こういうときは素直に聞き返すべきだろう。 『詳しく』……と。 「…………学校」 ああ。なるほど。 棗、主語が抜けてるんだもん。一瞬よく分からなかったわ。 「……いや、嫌いじゃないよ、学校。むしろ好きな方だ。俺の中では」 ……え? さっきと言ってることが矛盾してる? しょうがないじゃん。彼女が聞いてきたんだもの。学校の評価下げはやめだやめだ! 俺は体を起こし、彼女にそう答えた。  
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