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俺が学校のことを好きだといってしまうと、何故だか彼女は急に黙り込んでしまった。
体を起こし、俯く彼女。
……なんか学校の話題は禁句だな。あとに繋げられない。
その場の空気が悪くなった気がする。
気のせいならいいんだけどさ……。
「………………寝る」
気まずいような時間の中、突如彼女は口を開いた。
「え、あ、ああ。うん、もうこんな時間か。それじゃ部屋行くか」
夜も深まりつつある現在時刻。
いつもの彼女だったらとっくに目は開いていないのだが、今日の彼女は見た目からして眠そうにはみえない。
でもまぁ彼女が『寝る』っていったんだ。特に俺も起きている意味なんてないしな。
今日は部屋で話をする、なんていうのもいいかもしれないな。
俺と棗は立ち上がり、リビングをあとにした。
そうして、廊下を小さな足どりで進んでいる俺と彼女。
廊下を歩く彼女の足も、今日は彼女特有のふらつきを感じられない。
いつもなら壁にぶつかりそうになりながら廊下を進んでるのに。
昼寝しまくる効果って凄いな。今度俺も試してみようと思う。
さて、そんなわけで俺と棗は、いつものヲタルームへと到着。
そういえば今日は棗を起こしにきたとき以外はこの部屋に来ていない。
よって……、布団、ぐっちゃぐちゃなままだ。
なんかもう、布団のオブジェ的なものが完成している。
「ちょっと待っててな? 今布団しくから。端っこで見ててくれ」
「…………こくっ……」
いつも通り、彼女は俺の問いに対して、小さく頷いてくれた。
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