第十話 グダグダな彼女

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……さて、そんな沈黙にも早くも飽きてきた俺。 つまんないときには彼女とのお話の時間だ。 今日のうちで何度目かはもう忘れた。 いちいち覚えていないわ、うん。 「そういえば……さ、俺がいないあいだは棗はこの家で何してんの?」 さて、素朴な疑問。この前はテレビをいじってたりしてるってのは彼女から聞いた気がするのだが、詳しくは聞いていないしな。 「…………テレビ」 あ、やっぱりこれなわけね。 そんな俺の問いに対して彼女は、いつも通りの無表情で一言、淡々とそう答えた。 「テレビしか見てないのか? 暇じゃないのか? 半日近く一人なんだし」 俺の場合は一日中パソパソしてたな。目が疲れる意外は特に意味は……ないと思うけど。 それでもまぁ、パソコンいじってるだけでも時間は早く経つもんだ。 さて、そんなことはさておき、彼女の返答。 「…………食べる」 ……あ、ああ。昼ご飯のことね。対応遅れた。棗……まさか必要最低限なことしかしてなかったりする? 「他は?」 さすがに三つ目の同じ系統の質問ともなると、言葉も少なくなってくる。 まぁそれでも意味は伝わってるだろうから大丈夫だよな……多分。 「…………寝る……」 ……はぁ、必要最低限しかしてないな、これは。 もう少し時間の有効な使い方を教えておいた方がいいかもしれない。 新しい難題ができたな。 今のうちから策でも考えておくとするか。  
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