第十一話 運動会と俺

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    さて、そんなわけで、やっと本題に戻すことができる。 では、今から本編に入るとしよう。     今は日曜日の朝。 ……朝といっても、既に太陽は空に昇り、暖かい光を放っている。 つまり朝と昼の真ん中の中途半端なこの時間だ。 さて、いきなりだが、俺は今、布団の中。 さっきから俺の脳内会議はここで行われていましたわ。 そんでもって、そんな俺に、布団の中の膝に軽い重み(どっちだ?)がかかっているわけだ。 まぁさっきも言ったとおり、ヘッドスライディングな彼女の軽い重み(以下略)。 俺は彼女の軽い重み(略)である彼女の上半身を膝から少しずつずらす。 そんでもって、彼女を起こすことなく、無事に足を布団から抜くことに成功。 ……自由の効くようになった俺の足で彼女の方へと回り込む。 布団に顔面から突っ込む彼女を見てると、妙に息苦しくなってくるのは俺だけだろうか。 少しは首を傾けたりして空気の通り道を作った方がいいと思った俺だ。 そのうち息苦しくなって寝返りをうつことは目に見えてるしな……。 今のうちに俺が傾けておくか。 ほら、触れたいもん。ぷにぷにに。あの愛しき彼女の頬っぺに。 彼女の頬に手を添えようとした……その瞬間だ。 彼女がその半身を起こす。 腰が浮いていた状態で寝返りをうったので、腰がベッドからずり落ち、体が調度Lの字型に曲がっている彼女。 そんな状況で彼女は静かにうっすらと目を開いた。  
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