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会った時と変わらぬ無表情を浮かべ、カップヌードルの容器を眺めている。
というよりも彼女は何一つ表情を変えていない。
全てに無関心な顔なのだが……。
今のところは、ネコミミとお魚のみにほんの少しだけ違った反応を見せる。
……そうだ。棗観察日記をつけよう。ネコミミの生態がよく分かる、そんなのを書こう。
さて、まぁカップヌードルの容器は後で使うとしてとりあえずはまず、お湯を沸かそう。
えっと……やかん、やかん……あった。
とりあえず俺は適当な量の水を入れ、コンロに火をつける。
……と同時に棗が後ろにたじろいだが、特に俺は気にしなかった。
……猫だもん。火を怖がって当たり前だろう。……まぁ彼女は猫……というよりかは獣人と言った方がいいのかも知れないのだが。
それにしても……俺はお湯を入れてからの三分よりも、お湯を沸かす数分の方が嫌いだ。
なんか、いつ終わるのか、という感じで、限度のないものは基本的に好きじゃない。
ほら、テレフォンカードとかも、度数があるから意味があるだろ? 無限に使えたら使えたで嬉しいけども、多分心の中で飽きるんじゃないの?
……やかんから話のスケールが大きくなってしまったが、やかんのお決まりの音、ピーッ!という耳障りな音のおかげでお湯が沸いたことが分かった。
ついでに、今の音でも棗の体がビクッとなり、耳も反応したが、また普通に戻った。
「棗、それ貸してくれ」
「…………こくっ……」
素直に手渡しで容器を渡してきたので、それを受け取った。……と同時にフタを開け、お湯を注いだ。
……まぁでもやっぱりこの三分は長いよな……。
つまんないから棗のネコミミでも眺めていよう。
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