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……今デコピンの構えをとった人、正直に挙手!
いないよな? 大丈夫だよな? ……意外にしてたりして。
さて、こんなのはどうでもいい。うん、この際。
問題なのは俺の左腕についている左手。どうしてもぶつけたいが、紳士としてどうか~……なことで俺は迷っている。
俺の数少ないSっ気と、かぎりなく少ない紳士魂がぶつかり合っている。
……まぁ多分Sっ気が勝つと思うんだけど。
そんなわけで、彼女の額数ミリの、一番当てるのがベストの場所で左手を固定。
調度よく、彼女もこちらに向けてテーブルに腕を組み、静かに寝息をたてている。
本来ならばずっと寝かせてあげたいところなんだが……、現実はそんなに甘くない。
棗には、寝るときには寝て、起きるときに起きる、そんなような女の子になってほしい。
ほら、『寝る子は育つ』っていうけど、同立に『寝てばっかりいると豚になる』というだろ?
前者ならいいけど……、後者なら言ったやつぶっとばーす。
川の向こうの花畑に強制転移だ。
さて、こうもまぁ俺の中でいろいろと思いがめぐりめぐっていたのだが、
実をいうとただの綺麗事。
本当の理由は、ただ単に彼女の反応がみたいだけなんだよな……。
ま、ある意味男の子の興味心ってやつだ。
そんなわけで、非情にも俺は左手の引き金を引く。この場合引き指っていうのか……? なんて考えながら。
ペチ という軽い音が俺の耳に届いた。
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