第十一話 運動会と俺

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「…………ぅー……」 これまた彼女は小さく声をこぼす。 あんまり強くはやってないんだけどな。あれだ、お情けってやつだったのに。 まぁ彼女が起きるのには調度いいくらいの額への衝撃だったんじゃないか……? 彼女はテーブルから体を離し、一瞬自らの体で上半身を支えるようになると、今度は目を擦りながら後ろに倒れる。 どうやら起きる気はないようですね、はい。 今度は仰向けになって寝るつもりなんだろうな。 ……というより、デコピン一発で起きる程世の中甘くないってのが普通なところか。 しょうがない。昼ご飯の準備手伝ってもらおうと思ったけど……、まぁ昨日の残りだからそんなに手伝ってもらわなくてもいいか。 どうせカレーだ。皿に盛ってコップ用意して、スプーン持ってって~……なぐらいだもんな。 俺は立ち上がり、彼女のなりかけ寝顔を一目確認したあと、キッチンへと向かう。 そういえば、今ふと思った、いや、正確に言えばいつも思っていたのだがこの際調度よかった~なことなんだが、 どうも俺は二日目以降のカレーのどろどろ感が好きじゃないらしい。 変に味が濃くなったり……と舌がついていけない気がする。 さて、話がそれてしまったが、飯だ飯。さっさと準備してゆっくりと彼女と夕食タイムだ。 俺は温めたカレーetcをテーブルへと運んでいる。 何往復もしなくちゃいけないから疲れる。 昨日は棗にも手伝ってもらったから早かったんだんだな。 今頃気付いた俺。  
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