第十一話 運動会と俺

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今度は仰向けで寝ているその肩を軽く揺すり、彼女の意識を復活させる。 これで起きなかったら白雪姫の王子様的なことをしてやるつもりだ。 あ、それお目覚めのキス。 奪っちまいますぜ、ええ。 そんなことを考え、一人妄想にふける俺。もう一歩進んだら『痴漢』、それの一歩手前な『変態』というぎりぎりなラインにいる俺にとって、 ……ちなみに俺は、キスは結構神聖な行為だと思っている。 内心ではこう思ってるように見せてるが、キスをするつもりなんぞノミサイズもないので、先に伝えておく。 さて、彼女が半身を起こし、今度こそ、目を開くと俺と目が合った。 そこですかさず一つ疑問をぶつけたいと思った俺。 「棗……よく考えたら一日の四分の三は寝てないか? 昼まで寝て、更には昼寝までするんだろ?」 「…………こくっ……」 彼女は寝ぼけ眼で小さく頷いた。 なんかいつものことだな……。 ……えっと……うん。俺には分かる。この娘、俺の話聞いてない。 俺と目が合ったかと思えば、さっきまで頷いた首が安定していない。 多分条件反射的な感じだったんだろう。 ちゃんと目が醒めてからカレーを食べてもらわないとパジャマがカレーで大変なことになりそうだ。 ……目が醒めるまで待ってみるか。 まぁそんな感じに思っていた俺だったが、結構早めに彼女の目が醒めたからよかった。 ……カレーが冷めなくて本当によかったわ。 醒めたと冷めた……いや、なんでもない。 今度からはちゃんと起こしてから準備するとしよう。  
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