第十一話 運動会と俺

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何故かは知らんが、いつものように公園には子供一人いない。 ゆるやかな風に揺れる『ブランコ』や、何故か置いてある横長背もたれ付『ベンチ』、 俺たちにとっては小さな『ジャングルジム』と呼ばれる籠のでっかいやつ、その他もろもろ。 公園……というのには狭すぎるのかもしれないが、一応揃っているといえば揃っているこの設備。 まぁちびっこ達には充分過ぎる代物だ。 そんな公園の中、彼女は周りを一目見渡すと、入口にいる俺の元へと小走りにかけてくる。 「………………あれ」 彼女が指差すのはジャングルジム。 ほう……パンチラフラグですか。悪くはないですね。 あ、いや、なんでもない。決して壊れたわけではないので安心してくれ。 「登るのか? あれに」 「…………こくっ……」 頷いて俺に返答した彼女は、俺と共に順番にジムへと足を進める。 俺が先に手をかけ、足をかけで一歩一歩確実に登っている横で、 彼女は華麗なる跳躍と駆け上がりで、ほとんど手を使わずに一気に登った。 なんか非常に虚しさを感じる俺。 変なときに彼女の猫っぽさを感じた瞬間だった……。 いまだゆっくりとある理由で登っている俺の上で、一段内側に入りこんで組み込まれている頂上に腰かける彼女。 はぁ……、調度よくこの角度からはパンチラは拝めな……いや、なんでもない。 あ、ある理由? なんだろうな。あ、あははは~。  
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