4719人が本棚に入れています
本棚に追加
何故かは知らんが、いつものように公園には子供一人いない。
ゆるやかな風に揺れる『ブランコ』や、何故か置いてある横長背もたれ付『ベンチ』、
俺たちにとっては小さな『ジャングルジム』と呼ばれる籠のでっかいやつ、その他もろもろ。
公園……というのには狭すぎるのかもしれないが、一応揃っているといえば揃っているこの設備。
まぁちびっこ達には充分過ぎる代物だ。
そんな公園の中、彼女は周りを一目見渡すと、入口にいる俺の元へと小走りにかけてくる。
「………………あれ」
彼女が指差すのはジャングルジム。
ほう……パンチラフラグですか。悪くはないですね。
あ、いや、なんでもない。決して壊れたわけではないので安心してくれ。
「登るのか? あれに」
「…………こくっ……」
頷いて俺に返答した彼女は、俺と共に順番にジムへと足を進める。
俺が先に手をかけ、足をかけで一歩一歩確実に登っている横で、
彼女は華麗なる跳躍と駆け上がりで、ほとんど手を使わずに一気に登った。
なんか非常に虚しさを感じる俺。
変なときに彼女の猫っぽさを感じた瞬間だった……。
いまだゆっくりとある理由で登っている俺の上で、一段内側に入りこんで組み込まれている頂上に腰かける彼女。
はぁ……、調度よくこの角度からはパンチラは拝めな……いや、なんでもない。
あ、ある理由? なんだろうな。あ、あははは~。
最初のコメントを投稿しよう!