第十一話 運動会と俺

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俺は道を進む。 ずいずい進む。 どんどん進む。 公園を出たあと、更に家とは反対方向の目的地、つまり商店街へと歩みを進めている。 俺の前を行く彼女の背を見ながら。 隣を歩いてもいいんだが……まぁ一本道だしな。彼女も迷うことはないだろう。 俺もゆっくりと昼下がりのほんのり暖かさを感じているところなんだし。 道を行く俺と棗、彼女の小さな歩みに合わせていると、短い道のりも長く感じてしまう。 ほら、彼女の早歩き、つまり若干駆け出しているそのスピードこそ、俺の徒歩よりもほんの少しだけ早くなることを表す。 弾むようにかけるんだもん、彼女。 跳ねるように歩くんだもん、彼女。 歩く容姿が可愛いんだもん、彼女。 自然とこぼれてるんだもん、笑顔。 ……道行く人からみれば、俺は変ににやけているただの変人だろう。 だがな、本当は違う、俺は重度の変態だからな。そこらへん、よろしく頼む。 変態を、認めてからが楽しいんだ。 最近、無性にそう思えるようになってきた。 そのうち学校でも公式発表だな。 ……いや、そのうちはさすがに無理か。 心の準備……しておこう。 まぁ、そんな些細なことを考えているうちに、俺は商店街に到着していたみたいだ。 前にいる彼女がこちらを見つめている。 はいはい、今行きますよっと……。  
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