第十一話 運動会と俺

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……というわけで、商店街をぶらついている俺と棗がいる。 左右に連なる独特の商売風景を見る限り、なぜか平和だな~……なんて思ってたり。 さて、一本道を進む俺たちなのだが、何か買い物をするわけでもなく、ただ単に見るだけの散歩。 あ、べつに買い物をするのも良さそうなんだが……、彼女の手が俺の服の袖を掴んで離さない。 彼女のせい……もとい彼女のおかげで財布が寒空にならなくて済みそうだ。 さて、そんなわけで左右に寄ることもせず、ただ単に前に進むだけになっている。 俺的にはどっかの店に寄ってって、夕飯のおかず買いたい……。 あ、いや、今日は母さんもいることだし……作らなくてもいいんだったな。 とりあえず何もなく、 商店街をずいずい進む。 「棗……袖。うん、袖」 さて、なんて伝えたらいいのか分からない。 うん……、袖よ袖。 「……ふるふる……」 そして何故か首を振る彼女。ついでを言うと、服の袖をちょいちょいと引っ張る力がほんの少しだけ強くなった気がする。 ……なんか意味でもあるのか? ……いや、まぁいっか。そろそろ商店街出ちまうし。結局買い物はしていかないんだし。 一回出ちまってから聞いてみるか。 つーわけで、やっぱり特に何もなくいったん商店街外へと出てみたわけだ。  
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