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「なにも買わなくてもよかったのか? 一応金はあったんだし。帰りにでも寄ってくか?」
「……ふるふる……」
俺の問いに対して、彼女は小さく首を振る。
道の片隅での会話。……会話か?
「だったら……もう少し散歩して行く?」
「…………こくっ……」
二つ目の問いには、彼女は今度は小さく頷いた。
……そんなに外に出れたことが嬉しいのか?
……別に俺は家に閉じ込めていたとは思ってないけどさ……、
結果はどうあれ、今後はちょくちょく一緒に散歩行くかな。
とりあえず立ち止まっていた俺たちなのだが、とにかく、またスローなペースで足を進めていった。
さて、これから向かうは、明日の運動会のために既に準備が整っている学校だ。
まぁ簡単に言ってしまえば運動場を見に行くだけだな。
……立入禁止かな。まぁ外から見るくらいなら大丈夫だろ。
商店街を抜け、少しばから進み、通学路へと合流。
こっからは後は彼女にとっては果てしなく長い登り坂があるだけ。
まぁ……ゆっくりと歩んでいこう。
時間はあるんだからな、たっぷりと。ちょっとばかり無駄に時を過ごしたっていいだろ。
いや、ただ単に自宅に戻りたくないだけかもしれないけど。
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