第十一話 運動会と俺

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    ずっと彼女を見続ける。 おーい、誰だ~、俺の決意に対して気持ち悪いとか頭の中でつぶやいたのはー。 これは俺の決意なんだぞー。 坂を登りきったその気分のままふと思い付いただけだー。 すまん、なんか投げやりな感じになった。 無性に虚しいこの気持ちを持って……歩き出すのはちょっとつらいかも。 うん、いろんな意味で。 でもまぁ……うん、彼女を見続けるっていうのはあながち嘘にはならないかもな。 ずっと傍にいる。 それだけは約束しよう、俺の胸に刻んでおくんだ。 さて、なぜかさっきから道で立ち止まってしまっていた俺だが、一呼吸してからゆっくりと進み出す。 それに気付いた彼女も急いで俺に合わせ、若干早足のペースで俺の横につく。 やべ、声かけるの忘れてた。 俺が思うに、なんか彼女は抜けているからな……。 何て言うの? 天然? ドジっ子? とりあえずベストな萌え要素を合わせ持つ可愛らしい猫耳少女だ。 あ、俺? 作者クオリティを使いこなす重度の変態。 もうこの際認める。 まぁそんな感じの脳内独り言だったが、足はしっかりと歩みを進める俺と彼女。 「学校…………まだ?」 「もう少しだから歩き続けてくれ」 独り言を頭の中でつぶやいていたときに聞こえた彼女の一言。 「学校…………まだ?」 「棗、まさか歩くの疲れてきてたりしない?」 「……………………。」 こちらに向けていた無表情が一瞬止まる。 どうやら図星らしい。 もう少し待っててくれよ? もう少しで……ほら、見えてくるはずだから……。  
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